Euphonians Dream / ユーフォニアンズ・ドリーム


 この作品は、ユーフォニアム奏者、幡野武 氏との談笑が元となり、2013年8月に

創作されました。

 タイトルの「Euphonians」は造語ですが、ユーフォニアム奏者達、ユーフォニアム一族、あるいはユーフォニアムの仲間達などと御理解頂ければと思います。

 作品は大きく3っの部分にわかれ、モデラート(Moderato)、アンダンテ(Andante)、アレグロ(Allegro)となっています。冒頭部分から、その「Euphonians」が夢を追いかけるがごとく、同じフレーズが積み重なる様に進み、そして少しテンポを速め、フレージングスタイルが変わります。

 その後、穏やかに作品は進みますが、かつて吹奏楽のために創作した「ゆいま~る(沖縄県の方言で協力する、助け合うの意)」のフーレズを「Euphonians の祈り」の意味を込めて挿入致しました。全てのユーフォニアム奏者達が努力し、協力し合いユーフォニアムの世界をいっそう発展させられる事を願っています。

 そして最後の部分ではテンポを速め冒頭の部分と同様にひとつのフレーズが追いかける様に重なりながら進み、冒頭と同じフレーズが再現され終了致します。

 約6分30秒の小品です。


 昨今、ユーフォニアム奏者の人口も増え、演奏技術も飛躍的に高度になりました。が、その奏者達が活躍する場や作品はけっして多いとは言えず、大袈裟ですが、夢を持って若い奏者達が活躍出来る環境を作り上げる一端をこの作品が担う事が出来れば嬉しく思います。 勿論、この作品のみで環境改善を成就させる事は困難である事は重々承知しているつもりですが、作品を聞いて頂きながら環境改善のために色々試行錯誤して頂くだけでも、その役割を果たすものと信じています。


 初演は2013年12月12日、熱田文化小劇場(名古屋市)において、名古屋芸術大学ユーフォニアム・テューバ・アンサンブルの皆様でした。