Suite Forest of Blue / 組曲 蒼の杜


組曲 「蒼の杜」


 1. 津軽の海  2. 神の宿る流れ  3. 祭り(ねぶた)


 この作品は、東京都内に活動拠点を置く「白金ヘボン吹奏楽団」の委嘱により2004年6月に創作され、翌年2月13日(日)、江東区文化センターにて開催された第3回定期演奏会にて、指揮、岩下智明氏によって初演されました。


 1. 津軽の海

 今や青函トンネルが出来、北海道と青森県は陸続きとなりましたが、かつては大型の青函連絡船が行き交っておりました。連絡船は青森市より出航し、陸奥湾を経て津軽海峡に出で、真っ青な海を白波たてて進行していきます。船の周りでは何頭ものイルカが親しげに泳ぎ、カモメは頭上を飛び交います。

 青森県は三方を海に囲まれ、海の幸にも大変恵まれています。漁港も沢山あり、大漁の旗を掲げ帰港する景色は雄大です。しかしながら不幸にも不慮の事故に遭遇し、帰港できなかった漁船も多々ありました。そうした方々のご冥福を祈るとともに、海の幸に感謝し、さらに海の蒼さに心洗われる気持ちが作品を通じてお伝えできれば嬉しく思います。


 2. 神の宿る流れ

 青森県と秋田県にまたがる十和田湖。湖の透明度はかなり高く、秋の紅葉は言葉を失うほどに美しく、神秘性をも感じさせるこの湖からでる流れは神々が創造したのではないかと思わせるほど静寂で美しい。奥入瀬渓流の水音を聞く時は心安らぎ深い安堵を覚える。新緑の季節も紅葉の時も木漏れ日は優しく水辺に落ち、手に当たる日差しはほんのりと暖かさを感じさせる。流れは十和田市を通り太平洋に流れ出ます。


 3. 祭り(ねぶた)

 日本各地には色々なお祭りがありますが、青森県を代表する祭りといえば「ねぶた」です。大きな山車の上では歌舞伎や神話などを題材に色々な物語が繰り広げられます。締太鼓、大太鼓、笛などをともない「ラッセラー、ラッセラー、ラセラセ、ラッセラー」と掛け声も勇ましく、エネルギーが一気に爆発します。青森県には各地に山車を引きながら町を練り歩くお祭りが沢山ありますが、「ねぶた」は「青森ねぶた」とも呼ばれ、国の重要無形民俗文化財に指定されています。観光客は350万人にも上り日本でも指折りのお祭りです。ちなみに弘前市では「ねぷた」と呼ばれています。




上の写真はテーマとなった津軽海峡、奥入渓流、ねぶたの写真です。

撮影は白金ヘボン吹奏楽団のメンバーでもある綿谷佑馬さんです。