Over there of the memorial cenotaph / 慰霊碑の彼方に


 この作品はウインド・アート社の委嘱により2007年9月に創作されました。


 第二次世界大戦中、沖縄県での戦いは非常に悲惨な状況であり、一般市民の犠牲者の数もおびただしいものでした。その市民にはアメリカ軍に対する恐怖とともに日本軍に対する恐怖も加わり、着の身着のまま逃げまどった状況にあったようです。

 色々な資料を基に印象を書き表そうと思いましたが、資料を読むにつれ、地獄絵図を見るような感覚を持ち、なかなか筆が進まない事が多々ありました。


 作品には沖縄県を代表する民謡「安里屋ユンタ」(宮良長包作曲)や日本国歌、アメリカ国歌が使われており、それらは変形されて現れてきます。

 穏やかで平和だった沖縄、戦渦へ巻き込まれていく沖縄、そして復興する沖縄を作品に表したつもりです。

 初演は、2008年3月15日、陸上自衛隊第6音楽隊(水木勝行音楽隊長)の皆さんによって、作曲者自身の指揮により、山形県東根市「さくらんぼタントクルセンターホール」にて行われました。


 宮良長包(みやら・ちょうほう 18831939

 教育者、作曲家。現代沖縄歌謡における重要人物。八重山歌謡の改作、童謡ほか多用なジャンルで才能を発揮し、まだ沖縄音楽が日本で市民権を得ていない大正、昭和の初めに、故郷のメロディを用い後進の道を開いた。石垣島出身、石垣市名誉市民。


 写真は「慰霊碑の彼方に」の初演をして下さった陸上自衛隊第6音楽隊の皆さんです。管理人は少し緊張ぎみでした。

 演奏はとても素晴らしい感動的な演奏でした。

 隊員の皆さん本当に有り難うございました。



 左の写真はコンサート後の打ち上げで水木音楽隊長さんを囲んでの記念撮影です。制服姿の時とは大部雰囲気が違いますね。